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ウエッブジャーナル日本海 通巻10号[2001/08/14]
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≪今号の記事≫
  • オタク医師の独り言(8)「いつかは訪れる死」 〜安陪隆明〜
  • インターネットに漂う ウイルス達 〜鈴木@SONZ〜


  • オタク医師の独り言(8)「いつかは訪れる死」
     末期癌を告知された患者さんの手記で「医者から見離されたような気がした」という 言い方を見ることが少なくない。こういう言葉を聞くと私は複雑な気持ちになってしま う。
     自分自身は医者だから、どのあたりに現代の医学の限界があるか、ということはわか る。「ここまで来たら、もうどうしようもないな」というあきらめがつく。父が脳梗塞 になった時、主治医からCTを見せられて「これは助からない。あと一週間くらいだな」 と私は思ったし、実際そのとおりになった。だが一般の人はそうではないのだと思う。 母は少しでもまた意識が戻ってまた会話の一つでもできるという望みを完全には捨てて いなかったし、祖母はいつも拝んでいる仏様に「助かりますように」と願をかけていた という。父が亡くなった時に祖母が「あれだけ拝んだのに助けてもらえなかった」と仏 様に対して恨み言を言っていたのが私には印象的だった。もちろん私も、自分の子供が もしひどい病気になったら、やはり普段信仰しているわけでもないのに、神か仏か何 かの超越的存在に祈ってしまうと思う。だから患者さん本人やその家族の、神にでもす がりたいという切なる願いを、決して否定するわけではないのだが、しかしいわゆる「 神頼み」で患者さんが助かるのなら医者は苦労しない、とも私は経験的に身にしみてわ かっているのである。
     医療とは何か、という定義は人それぞれであろうが、簡単に言ってしまえば、病気を 治すことであり、体の衰えを元に戻すことであり、特に死にそうな人を助けることは重 要だということになると思われる。そうするとこの考え方を推し進めると、究極の理想 の医療とは「病気で苦しむことも老いることも死ぬこともない」という「不老不死」と いうことになってしまうのである。「不老不死こそ医療の究極的目標」というふうに考 えてしまうと、現代の医療とは必ず負けることを運命付けられた仕事と言えるのかもし れない。何故なら、現代に至るも死なない人間はいなからである。100歳まで生きる人 間は稀である。200歳まで生きたという人間は伝説以外に存在しない。
    「生老病死」の「四苦」は人につきまとう運命であり、そこから逃れられないものであ る。それに対して、医療とは「生老病死」という運命から、どれだけ悪あがきをして先 延ばしにするか、という技術なのかもしれない。しかし現代の医療は「不老不死」には 、まだまだ程遠い存在である。だから自分や家族、親しい人の「死」についての「覚悟 」というものが必要なのだが、しかし...
     私自身はというと、以前は毎月のように人の死に立ち会っていたためであろうか、家 族の死については受け止めることができると思っている。しかし、自分自身が死ぬ、と いうことを考えると、めちゃくちゃに怖い。気が狂いそうになるくらい怖い。あれだけ 他人の死を見ていながら、自分の死についてはなかなか「覚悟」することができないの である。
     自分が自分の「死」を受け止められる、「覚悟」できる日はくるのだろうか?
     そんなことをついつい考えてしまう私である。

       安陪隆明  
       鳥取県鳥取市
       安陪内科医院


    インターネットに漂う ウイルス達
    ウイルスも新世代に突入「CodeRed」「SirCam」

     ここ最近「CodeRed(コードレッド)」や「SirCam(サーカム)」といったウイルスが 世界を騒がせている。前者はインターネットを構成するサーバーという機器に感染しイ ンターネット全体にまで影響が出るほどの危険性を持ち、後者は大切な情報とウイルス を添付したメールをばら撒き、最後にはハードディスクのすべてのデータを削除すると いうもの。IPA国内届け出は7月だけで520件とウイルス単独では最高の件数となってい る。

    今さらではないが、殆どの皆さんはウイルス対策をした上でインターネットを利用して いるはず、、、であるのに、感染の被害が爆発的に拡大しているのはどうしてだろう か?これは、これらの新しいウイルスでは、これまでの対策では不十分な場合があるこ とを示唆している。

    「CodeRed」一般にはあまり関係ないかもしれない、いや、今やインターネットサー バーは一般の方が管理している(させられている)という、元々セキュリティ上危険な 状態でもあるわけで、少し掘り下げて書いてみたい。
    現在「CodeRed」には、動作の異なる亜種も発見され猛威を振るっている。これらは、 以下のような共通した行動パターンを持っている。
     ・1〜19日:他のマシンに侵入(感染)を試みる。
     ・20〜27日:特定のIPアドレスにパケットを大量に送り続ける。
      DoS攻撃と言われ、インターネット全体に影響を及ぼす。
     ・28〜月末:活動の休止期間
    これを毎月繰り返すよう仕込まれている。
    このウイルスがこれまでのものと異なるのは、コンピュータの主記憶メモリに常駐し活 動することである。ファイルとして存在しないため、これまでのウイルスソフトだけで は検出や感染を防げないことがある。また、亜種の中には、密かにトロイの木馬やサー バーにバックドアを仕掛けていくものがある。サーバー管理者は、DoS攻撃によるネッ トワークの飽和(ダウン)や、80ポートを公開している接続機器などのダウンによって、 初めて「CodeRed」感染に気がつくことになるのだ。そして、メモリーから一旦消え去 る再起動で一見ことがすんだように見えるため、システムの修復(確認)を行わずに運用 を続けるとシステムに設けられたバックドアが開けられ、不正アクセスを許してしまうという 事体が発生する。

     一方の「SirCam」は、感染者の「マイドキュメント」にある任意のファイルをウイル ス付きで送信するプログラムが仕込まれるのだが、ウイルス対策定番のウィル対抗(感 知)ソフトでは「SirCam」を検出排除できなかったことが報告されている。「SirCam」 は、ウィルス感染の常套手段であるメール添付ファイルとして感染するのであるが、こ れまでのウィルスと決定的な違いは、「SirCam」自身がメール送信機能を持っていると いうことである。このため、定番ウイルス対抗ソフトでも検出することができずにまん まと感染してしまうというものである。
     ただ、以下の2点に注意すれば、「SirCam」の被害を最小限(ほぼ完璧)に止めること ができるだろう。
     1.ウイルス対抗ソフトのウイルス情報を常に最新にしておく。
     2.メール本文に添付ファイルについて合理的な説明がない場合、差出人に添付ファイ ルについて確認ができるまで絶対に開かない。また、即刻破棄する。
    感染したまま放置し「SirCam」が発病すると、
     ・起動時にハードディスク未使用スペースを使い切る。
     ・Word、Excelなどデータファイルに感染し添付ファイルとして、アドレス帳やホー ムページの閲覧記録から採取したメールアドレスにメール送信するため機密情報が外部 に漏洩する危険性。
     ・10月16日に Cドライブすべてのファイルとディレクトリが削除される。
    など、単に大切なデータを一瞬にして失うだけではなく、情報の漏洩という最も恐ろし い結末が待っている。
    現在、各ウィルス対抗ソフトの「SirCam」対応は完了している。

     最後に、ここに書いた情報は間違いがないよう注意しているが、ウイルスやクラッキ ング情報は自身で確認し、最終的な判断と相当の対処をされることが必要であることを お断りしておく。
     特に、ビジネスにおいてインターネットを活用されるには、データのバックアップ及 びリカバリー・ウイルス対策の手法と運用の確立・保険による賠償保障・適切な人材も しくはコンサルティングなど対策が必要になりつつあり、 一度再確認されることをおすすめする。

    [関連リンク]
    IPAの緊急対策情報
     「Code Red ワームに関する情報」
     「W32/Sircam」ウイルスに関する情報
    [ウィルス対抗ソフトメーカ]
     シマンテック
     トレンドマイクロ
     ネットワークアソシエイツ

    鈴木@SONZ
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