ウエッブジャーナル日本海
通巻27号[2003/04/14]
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リアリティTV 〜シャンディ〜
リアリティTV
フィジーにいたときはテレビが家にはなかったから、アメリカに移ってきた時はほとんどテレビを見る習慣がなかった。つけてもなんとくだらない番組が多いんだろう、というくらいにしか思ってもいなかった。それが、アメリカに長居するようになってアメリカのテレビ文化にもすっかり溶け込んできて、友人にも、次の日「ねえ、あの番組みた?」なんていうようになったんだから、自分でもびっくりだ。
最近の全米ネットワークテレビでは、リアリティTVと呼ばれるカテゴリーの番組が大流行。夜の7時から10時くらいまでの間は必ずと言っていいほどどこかのチャンネルで何かやっている。リアリティTVとは名前の通り現実っぽい感覚のショーで視聴者参加型のものが多い。その中には「サバイバー」などその名の通りのサバイバル系、平均視聴者数3400万人という超大ヒットとなった「ジョー・ミリオナー」等の出会い系、有名無名の人の普通にありがちな生活をカメラで追った系、「アメリカンアイドル」などの才能勝負のチャレンジ系等がある。
この中でも私がとっても気に入っていて毎週絶対に欠かさない番組がある。それは「アメリカンアイドル」だ。一番最初は偶然テレビがついていたから見ちゃった、という感じだった。なんだろう、くらいにちょこちょこ夕食を作りながらみていると、ちょっと普通のオーディションとは違うっぽい雰囲気でどんどん引き込まれていった。それ以来毎週見ているというわけだ。前回のアメリカンアイドルが大ヒットしてアイドルに選ばれたケリー・クラークソンのデビュー曲が全米No1になったことも受けて、今回の第二弾ではなんと7万人以上がこのオーディションに参加したという。次のブリットニー・スピアを探せ、みたいな番組だからきっとかわいい、またはかっこいい歌のうまい人たちがオーディションで競い合うんだろうな、と思っていたら、それは大間違い!(いや、決して間違いではないが・・・)アメリカは主張する国だ!とつくづく感じさせられる。自分がブリットニーのようにかわいいといえばかわいく、マライヤ・ケリー並みに歌がうまいといえば、誰も止めることは出来ない。私こそが次代のアメリカンアイドル、とうたう若者達が次々と審査員を前で歌う。でも、いや〜、こんな下手な人が本気でアイドルになれるなんて思ってるの??みたいな人の多いこと、多いこと。このくらいだったら私だって、と思わずにはいられないくらいものすごいのがどんどん出てくる。君はホイットニーかマイケルジャクソンか!と思わずテレビに向かって拍手をしてしまうような人もいれば、あまりにも自分の世界に入りすぎていて超音痴な人なんかもいて目が離せないのだ。
アメリカンアイドルというくらいだからやっぱりアイドル候補生が主役、のはずなんだけど、この番組では審査員のユニークさが視聴者に大受けしてすでに審査員の方が番組の顔、となっている。一番辛口のコメントでみんなをドキドキさせるのはイギリス人凄腕プロデューサーのサイモン、マライヤ・ケリーやジャーニーなどアメリカの一流のミューシャンをプロデュースするランディ、80年代後半ヒットチャートを大いににぎわせたポップアイドル、ポーラ・アブドル、とこの誰もが超有名人なのだ。アイドル候補生が一人ずつ歌った後に必ずこの3人のコメントがはいるのだが、各審査員の個性が強くて強烈に面白い。サイモンは平気な顔をして「君、ひどすぎるよ、そんなひどい歌はきいたことがない。この間誰かにアメリカで一番へたくそなシンガーだっていたけど、君はきっと世界1音痴なシンガーだよ。僕はお金を払ってでも君には歌ってほしくないね。」というようなことを平気でいう。次に彼の口から何が飛び出すのかわからないから興味津々でつい見入ってしまう。「今日は機嫌が悪いんだ。誰一人として僕をあっと言わせてくれる人がいないよ。」なんて凄く自分勝手なことを言ったりもするけれど、それもまた彼の個性がでていていいのである。私はそんな彼の大ファンだ。黒人のランディーは「ヨオ〜、メ〜ン、ホワッツア〜ップ?」(これは、「ハイ、ハウアーユー?」のアメリカ現代版の言い方)といった無茶苦茶アメリカンスタイルで候補生達に話し掛ける。ポーラは私の中でも素晴らしいダンスを披露してくれた大スターだけれども、この番組の中では気さくなやさしいお姉さんといった風でとってもいい感じだ。
多くのリアリティTVは見ていてどうしてこんなの見てるのかなあ、と思うようなくだらないものなのだけど、今のアメリカを知るにはもってこいの材料だ。自己主張が強い、何があっても底抜けに明るい、どんな才能でも人に披露することを惜しまない、定義とはあってないようなもの、等いろんな面で今のアメリカ人を象徴しているところがいい。イギリス人のサイモンとアメリカ人審査員とのやり取りはお国柄の違いがはっきり出ていてまたこれも面白いのだ。今度はどんなスターが登場するかどきどきわくわくしながらテレビにかじりついている。私は今週もまたこのアメリカンアイドルに夢中だ。最終予選まで残ったアイドル候補生達は視聴者の電話投票でランキングがつけられるが、私もしっかりこれに参加しているのはいうまでもない。
シャンディ
シャンディのプロフィール
兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。
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