ウエッブジャーナル日本海
通巻29号[2003/05/22]
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≪今号の記事≫
家作りの現場から〜家が生えてくる?〜
アメリカで活躍する日本女性達
家作りの現場から〜家が生えてくる?〜
ええ天気やね〜、いろいろ一斉に芽吹いてくる。これからは毎日のように外の情 景が変わる。産毛をまとったような白っぽいグリーンが、どんどん鮮やかさを増して初夏の頃にはサラダボールから溢れ出たサラダみた いに緑イッパイになっていく。この植物たち、どんな場所でも適当に育っとる訳ではないわね。土の成分はもち ろん、日当りや風通し、その他数多くの条件の絶妙なバランスの上でかろうじて生育を許されとることは、自然環境のもろさを知って いる者には容易に想像がつく。
実は家もこれに似とる、というと、ン?と疑問に思われる御仁も多かろう。そこ で「家が生えてくる」・・・説いて進ぜよう。 稲作りやったかね、丈夫に育てようと思ったら、チッ素・リン酸・カリの三大要 素とかあって、このバランスが大事やいうのは。家造りに必要な三大要素は「土地」・「資金」・「想い」。 説明すると、状況はどうであれ家を建てられる環境・土地があること。次に充分かどうかは別として家を建てるためのお金が用意できるこ と。で、大切なのが三番目の家を建てることに対する熱き想いというのが必要ということやね。
けっこう軽視されてるのがこの「想い」の重要性。変な話やけど「資金」や「土 地」はなんとか工夫が効くもんや。それを何とかするために、それぞれ金融や建築のプロがおるんやから、そこはええ知恵を借りればいい。
しかし「想い」。こうはいかん。なぜなら家族の家は自分一人の「想 い」だけで造る訳にいかないであろうことは容易に想像つくわネ。 「ン〜難しいこと言うな!子供も学校行くし、今が建て時なんや、他にゴチャゴ チャと理由なんか要るか?」って。いや、ごもっとも。でも、子供の部屋には鍵が要る?子供の友達が大勢呼べるよ うにすんの?旦那の仲間は大勢来るん?奥さんの仲 間は?趣味は?親戚や近所とのお付き合いは???と、こんなことに対する家族の 「想い」がある程度合意できて、結果「こんな家をつくろう!」ってことにならんと「家」というものは発芽も生育もせんのやね。 この家族の「想い」をまとめあげるのが、思ったより大変なことなんや、実は。夫婦お互いに漠然と理解し合っていると思っていた ら、とんでもない修羅場を体験することにもなりかねんし、親子の断絶が一挙に加 速してしまったということにもなりかねん。これが二世帯住宅なんかやと、もう積んだり崩したりで挙句の果てに家庭内抗争 に発展、仁義なき戦いとなることすらある。心してかからないと、開けてはならぬパンドラの箱を開けてしまうことに もなりかねん。脅かしたいわけではないのだ が・・・。
それだけに、ひとまず「想い」をまとめあげることに成功した家族は、大きな山を越したようなもんや。あとは簡単!簡単! 家族の意見をまとめ上げる努力の中で習得した「思いやり」や、「アイディア」 を生み出した感性をもって「土地」や「資金」をも う一度見直してもらえば、あまり良くないと思っていた土地の思わぬ魅力に気づい たり、お金のかけ方が上手になっているはず。 家は与えられた土地に生えてくるもんや。日当たりや風といった気候や風土の影 響でその姿も変わるし、何よりも家族の生き方、考 え方で育ってくるんやね。 そう考えたらあわてて一度に全部作り上げる必要もないってことにも気づくわ ね。できるところから、ゆっくりゆっくり・・・。 「家は生えて」きて「家は育って」いく、ララ〜ってもんや。
(株)藤原工務店
安藤瀞和
このコラムのコンセプト
自然体の暮らしの器として住宅を見るとき、以外と不合理なことがたくさんある。 しかし建築という特殊なものだからと深く考えずに見過ごすことが多い。 そんなことを自然体建築道の修行者の視点で愚痴る。
安藤瀞和(あんどうとろわ)のプロフィール
建築素浪人。自然体建築道の奥義を極めたいと修行に励んでいる。師はいない。
アメリカで活躍する日本女性達
この間、ひょんなことから随分前に履歴書を出していた会社の社長さんからメールで連絡があった。なんだろう、どこかいいポジションがあいたのかな、と思ったら、全然そんなことはなかったが、彼女がメンバーになっているジャパニーズ・キャリア・ウーマン・ネットワークというグループがロサンゼルス近辺で活躍している日本女性をよんで、イベントを主催するという。普段から気になっている仕事や生活する上で困ったこと、知恵など、日本人女性としての経験をお互いに語ってもらうパネルディスカッションということだった。そんなグループがあったことさえしらなかったが、アメリカで活躍する同じ日本人女性と出会う折角のチャンス、とばかりに早速参加することにした。仕事柄かロサンゼルスに住んでいるからか、仕事場と家を車で行き来するだけの生活になりがちで新しい人との出会いも少なかったから、こういう場でいろんな人に会うのはいい機会だと思った。
リトル東京にある日系ホテル内で行なわれたこのパネスディスカッションでは4人の女性がパネラーとして登場した。メリルリンチで働く証券レディ、日系の雑誌やテレビコマーシャルにも出ているかなり顔の知られた派遣会社の女社長さん、建築士兼インテリアデザイナーの女性、それから弁護士として裁判所に勤務する女性と一見華やかな面々だ。どの人も肩書きを聞いただけでもかなり成功しているバリバリのキャリアウーマンといった風だったが、皆話し始めるとなんということはない、普通のどこにでもいる女性という感じだったのでほっとした。話はやはりどうやってアメリカにたどりついたか、またどうやって今のポジションにたどり着いたのか、というところにスポットが当たった。仕事についてはみんながぶつかる問題だし、その上にアメリカにいる日本人はよほどラッキーにも永住権があたったりアメリカ人と結婚でもしない限りアメリカに滞在するためのビザ問題にも直面する。それにアメリカといえども、まだ女性やアジア人などのマイノリティーへの偏見は全くないとはいえないところもあり、ハンディをパワーにかえながらここまでやってきた苦労話に話が咲いた。私も山あり谷の人生を送っているが、みなそれぞれ日本女性として、また外国人として大変な人生を送ってるんだなあ、と共感することが多々あった。
この女性達の中でひときわ面白く、自分とどこか似ている、と思ったのがメリルリンチで働く女性だった。彼女はアメリカ系のタフな金融業界を渡り歩いているせいか、とてもたくましい女性だった。「私は日本で大学を出てから1年間世界30数カ国をまわり、ジャングルや砂漠で死ぬ思いを何度かしたの。オレゴンで大学院を卒業してからロサンゼルスにやってきた時、とりあえず地球の歩き方に載っていた安宿に泊まったけど、今思うと浮浪者がテントを張って寝泊りするようなかなり危ない場所だった。その時私は2万円くらいしか持ってなかったの。今は金融業界に身をおいていて、混沌とした経済の中今後どうなるかなんて全然予想もつかないけど、いつどうなってもまたあの安宿にもどるだけ、と思うと私はなんだって出来るわ。」と言い切った。私の場合、各国で友人になった人を頼りに各国をふらふらするという感じで、どこにいっても友人達にかなり助けられてきた。その為か、彼女ほどの死ぬ思いはしていないものの、世界各国で働いたり、言葉のわからない国で旅行中病気になって寝込んだり、後進国で数年物質社会からかけ離れた生活をしたり、車や物を盗まれたり、ルームメイトとの関係が悪化して危うく包丁で刺されそうになった経験等もあるから、少しは彼女の言っていることがわかるような気がした。彼女は多分40代くらいでアメリカにも長い感じだったが、いつも前向きに生きている様子が話しからうかがえ「アメリカで成功する為には、人を当てにしちゃだめ。常に前向きで自分をどんどん売り込むことよ!」と私達にアドバイスした。さすが、アメリカ人にまじってやってきた人だけのことはあるなあ、と関心した。
この4人は日本人女性の中でもかなり成功している人達であることは間違いない。でも彼女達は、口をそろえていった。このような経験は日本では出来なかったのでは、と。何か問題かというと、女性としての社会進出や社会の構成がアメリカのようにオープンではないから、アメリカではラッキーにも好きなことをやっていける場があったが、日本では見つけられなかったという。でも、よーく考えてみれば、日本にとってはとても惜しいことをしたのではないかと思わずにはいられないのである。こんなに才能のある女性達を日本は簡単に海外へ手放してしまったのだ。留学生を見ていても、アメリカに残る人を見ていてもやっぱり女性の数が多いような気がするのは気のせいだけではないと思う。日本の経済もずっと沈んだままどこへいくやら、といった雰囲気だけど、もしかしたら女性の地位をあげ対等に女性の才能を活かす基盤をつくることが日本の明るい未来を作るチャンスになるのではないかという気がしないでもないのである。男性の皆様、女性を大切にしましょうね。
シャンディ
シャンディのプロフィール
兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。
その他お問い合わせは・・>
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