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ウエッブジャーナル日本海 通巻31号[2003/06/19]
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≪今号の記事≫
  • 家作りの現場から〜「輸入住宅」の風土〜
  • ラスベガスでホテルが当たる!?


  • 家作りの現場から〜「輸入住宅」の風土〜
     洋風建築を好む人達に輸入住宅が好評らしい。ファッションや食生活を始め、グローバルスタンダードとかいって仕事のスタイルま で西欧化に馴染んできた日本人には、その生活の器である住宅も、直輸入は自然な流れと映っているのかもしれん。  しかし、すばらしいデザインを誇る世界各地の住宅も、実はその土地特有の素材や気候風土、社会環境といったものの密接な背景の 中から生まれ出てきていることに想いが届く人は少ないかもしれんね。特に気候は、全ての生活様式が形づけられる基本要素や思うとる。例えば産業にしても、その土地の気候特性に合ったものが成立してきたんやろうし、生活のためのシステムや工夫もそうやろう。

    高温多湿地域の知恵、「抜気(ばっき)」外観
    高温多湿地域の知恵
    「抜気(ばっき)」外観
     住まいというのも、当然それらの中で成立してきたものやから、そのデザインや機能を考えるとグローバルスタンダードなんてあり 得ない。道一本違うと基本的にはもう形態が違ってしまうほどローカルな話で、ある一定の地域に共通する部分があるにせよ、よく見 ると小さな部分では結構違っていたりするもんや。 日本は近代になって工業国になり、その結果、都市部周辺から農地や自然が減り、コンクリートや舗装材が土地を覆うようになって しまった。これが都市部のヒートアイランド現象といわれ、夏季、夜になっても気温が下がらない熱帯夜が増えた原因と言われとる。 当然、夜だけでなく昼間はさらに暑い。よう考えるとコンクリートや舗装材に覆われた所というのは、古来よりの日本の気候条件と は異なった状況にあるわけや。温度環境で考えれば、砂漠や極地のような厳しい環境になってしもうとる。 こんな所ではエアコン無しには暮らしにくい。熱帯や寒帯の地域で暮らす知恵、自然と対峙するような暮らしの中から生まれた家の 方が合理的かもしれん。・・・となれば、全館一元管理のエアコンで、なるべくエネルギーロスを少なく過ごす、そんな知恵の下に造 られた輸入住宅が適しているかもしれん。

    抜気のある部屋
    抜気のある部屋
     しかしここで気になるのは湿度や。エアコンで除湿もできるのに何で湿度が気になるんやって思われるかもしれんが、ここでいう湿 度は屋内ではなくて屋外のことや。 詳しく調べたことが無いので分らんのやけど、輸入されてくる住宅の建っていた地域に高温多湿の所ってあったか?この高温多湿っ ちゅうのは生物が活性化するから、自然素材なんか腐れたりしやすい。そこが気になるんや。 輸入住宅。デザインや能書きにばっかり注目せんと、出生地の気候条件にも注目してみる必要は無いやろうか。 太平洋側から日本海側に嫁いできた人が気候に馴染めず体調を崩したりすることもあるように、人の健康にも響くのが気候や。根拠 がある訳やないけど、建物にもじんわりと影響を落さんはずがないと思うとる。 もし、輸入住宅を選定するならば、デザインや機能とともにその選定条件として、自分達が建てようとする土地に、気候が似た中に 建っていたものを選ぶことも大切ではないかと思うんや。

     ま、といっても日本は世界で最も古い木造の建造物、法隆寺を有する国。法隆寺に代表される古社寺建築なんかも、元をたどれば形 態は大陸から渡ってきたもんやし、正倉院も高床式のログハウスみたいなもんや。それらが木造建築物としては、いずれもギネス的な 長寿を長らえていることを見れば、外来の輸入住宅といえども日本の気候に適合すれば大丈夫なのかもしれん。しかし、それには日本 の気候に適合させる知恵と弛まざる努力が必要不可欠になるやろね。 ヒートアイランドとか、過去には無かった外部の条件も生まれてきて、昔と比べると内部も外部も環境が変化しつつある。そういっ た新しい環境条件の変化の中で、自然派建築素浪人も苦悩するというわけや。
    (株)藤原工務店
    安藤瀞和

    このコラムのコンセプト
    自然体の暮らしの器として住宅を見るとき、意外と不合理なことがたくさんある。 しかし建築という特殊なものだからと深く考えずに見過ごすことが多い。 そんなことを自然体建築道の修行者の視点で愚痴る。
    安藤瀞和(あんどうとろわ)のプロフィール
    建築素浪人。自然体建築道の奥義を極めたいと修行に励んでいる。師はいない。


    ラスベガスでホテルが当たる!?
    偶然がツキを呼ぶ、といったことはよくあると思う。大体、私がアメリカにきたこと自体、偶然に出合った人やタイミングよく空いた時間があったからこそここにいるわけで、自分でもラッキーだったなあ、と感じているが、今回もまさしくそんな感じだった。

     そもそもの始まりはメモリアルデイを含む3連休がやってきたので、いつものごとく私と同居人のまるはどこかへ行きたい病が出始め、車でさっと出かけられるラスベガスへ行くことにした。最近仕事も忙しかったかったから、日常から開放されホテルのプールサイドでアップルマティーニなんかを片手にのんびりすることを最大の目的として2泊3日ベガスにやってきた。特にショーをみる予定などもなかったからぶらぶらする時間は十分にあった。

    いつもは大抵ホテルを渡り歩き、新しく見つけたレストランで食事をするところ、今回は日本語のパンフレットに載っていた韓国焼肉の広告がどうもおいしそうに見え、食べたーい、とまるにせがみ食べに行くことに。その帰り、ストリップ通りに向かって車を走らせていたところ、右手に入ったことのないブラジルはリオデジャネイロをテーマとしたホテル・リオが建っているではないか。青と赤のアメリカ的なとても趣味の悪いホテルだ。いくら趣味の悪いホテルでも一度は入ってみたかった私は「なんにもないよ」というまるの声にも耳を傾けず、早速入ってみることにした。夜も遅かったので、1日に何度も行われるフリーのショーはすべて終わっていたが、とりあえずカジノフロアーをぐるーと回りながら歩いていたその時、私とまるは偶然ある女性に声をかけられた。「無料で2泊3日のホテル券がもらえて、さらに夕食のバフェもつくんだけど、興味ある?」

     そりゃタダでもらえるものには何だって興味はあるさ。でも、タダなものには必ず仕掛けがあるのだ。昔みたアメリカ映画で「Nothing is free in America」 (アメリカでタダなんてものはないのよ)というせりふを思い出した。用心しないと。そう思いつつ、話を聞いてみるとタイムシェアのコンドミニアムの説明会があるという。それに参加するだけでいいという。ホントにこんなおいしい話はあるのか、とまると顔を見合わせてちょっと考えたが、ちゃんとポリシーの所にも購入の義務なしと大きく記載されていたから、とにかくこのタイムシェアに関してもどんなものか興味があったし時間もあったしで結局参加することになった。

     翌日バスが私たちをホテルまで迎えに来てくれ、オフィスまで連れて行ってくれた。そのオフィスには私達のようなカップルで一杯だった。果たして何組が本当にこのコンドミニアムに興味があるのかは疑問が残るところだったが、私達は新しい体験と無料でついてくる特典のことで頭が一杯でうきうきしながら参加していた。チェックインしたあと、感じのいい女性が現れ、自己紹介をした。彼女はまず旅行の話をし、私達がどのくらい旅行をするのか、それにはどのくらいのお金を毎年つぎ込んでいるか、をきき始めた。私もまるも旅行は大好きでかなりお金もつぎ込んでいるから話は盛り上がった。このコンドミニアムのタイムシェアというものは、コンドミニアムの所有権を何人かで共有してもつことで、ある一定のコンドミニアムだけでなく同じグループが持つ世界中のあらゆる場所のコンドミニアムをも利用できるという旅行好きにはたまらなく魅力のある商品だ。だが、やはり金額はちょっとしたディナーより全然高いわけで、家を買うステップを踏まなくてはいけない。私もマルももともと購入する気はさらさらなかったが、購入する気があったとしてもこういう大きな買物は一気にするタイプではないので、丁重に説明しお断りをした。だが、セールス側にしてみれば、タダでホテル券やディナー券をあげるのだから、すごい勢いで私達に迫る。私はどんなことがあっても挑発には乗るまい、と決めていたが話をリードしていたマルは二人目に出てきた挑発的なマネージャーのペースにまんまとはめられ、途中で怒り始めた。あーあ。このセールスマンは3割以上の人はすぐにその場で決めて買っていくのに、どうしておまえは買わないんだ!とすごい勢いで迫ってきたからだ。このままほっておくと、タダでもらえるはずのものももらえなくなる危険性が出てきたので、うまくなだめてセールスマンを撃退した。が、向こうもまだ懲りず私達を放してはくれず、3人目のセールスマンがやってきた。二人目のセールスマンがどれだけ失礼だったかを淡々と話す私達に同情しつつもやはりセールスマンである。ではどんな条件だったら今日購入しますか?とさらに私達に売りつけ様とした。条件もなにも、最初から買う気がないって!でも、スイス人のまると日本人の私はこの辺りではアメリカ人になりきれず、はっきりとは言わずに考えさせていただきますと丁寧にお断りをした。これも何とか逃れようやくフリーのディナー券とホテル券をゲット!アメリカにきた頃はこんなしぶとく押し付けがましいアメリカ人とやりあうくらいなら、最初から交わらないほうがいいとさえ思っていたが、最近は強くたくましくなってきて、相手の口車に乗らずうまく交わす方法を覚えたからこんなことは屁の河童だった。相手の出方を一歩外から眺めて見れるくらいの余裕も出てきたのは年の功か。とにかく、私としてはタイムシェアという形態のコンドについても知識を得られたし、タダでホテル券とディナー券がついてきたということではダブル勝利した気分だった。

     バフェのディナーは期待せずにいったが、まずまずの料理でかなり満足だった。その後、ホテルについてのホテル券に付いてきた雑誌を読んでいると、ラスベガスのホテルしか泊まれないと思っていたら、なんとハワイやフロリダなど20のロケーションから選べるというではないか!私の一言で次のバケーションが用意されてしまった。よく友人から「シャンディはなんかいっつもラッキーなんだよね」といわれるが、偶然に身を任せてラッキーを得る、とはまさしく私の人生そのもののような気がしないでもない。
    シャンディ
    シャンディのプロフィール
    兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
    オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
    外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。



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