ウエッブジャーナル日本海
通巻39号[2003/10/20]
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≪今号の記事≫
人間性回復プロジェクト(人プロ)〜より良い人間関係づくりのために〜
家作りの現場から〜盗景ノススメ〜
ロサンゼルスに引っ越してきたジョージ
人間性回復プロジェクト(人プロ)〜より良い人間関係づくりのために〜
昨今、青少年に広がっている、いじめ・暴力・不登校・学級崩壊・引きこもり などの問題、ひいては社会全体を取り巻く多くの問題の根底には、希薄な人間関係が大きく関与しているのではないかと考えられています。現代の子どもたちは、乳幼児期から、人と人との関わり(コミュニケーション)の少ない中で育っています。このコミュニケーション不足の状態が、人間関係作りを困難にしているのではないでしょうか?
こういった中で、鳥取県立赤碕高等学校の人との関わり方を学ぶ「レクリエーション指導授業(レク授業:人間関係体験学習)」は8年前から実践されて来ました。より良い人間関係のつくり方や人を思いやる方法を、実体験をもとに体系的・継続的に学習することで、そばに居る人から喜ばれ役に立ったという「役立ち感」を実感し、自分の存在に自身を持ち、生徒たちに相手を思いやる心や自尊心が芽生えました。生活も生き生きと意欲的になり、子どもたちの目が輝いてくるのです。この「レク授業」の取り組みは、多くの方の関心を集めました。教育関係者はもちろん、子育てに不安を持つ親や心やからだを病んだ子どもたちと日々接している全国の小児科医からも注目されています。
今、私たち自身が赤碕高校の取り組み〜現代の子どもたちに不足している「役立ち感」や思いやりの心を育てる人間関係作り〜を学ぶことにより、大人を含めた多くの人々の人間性を回復することができると思われます。まず、自ら考え、行動することが大切です。一人でも多くの方々が母子保健・学校教育・社会教育・医療・福祉などのあらゆる場面で赤碕高校の取り組みを実践し、乳幼児期からの親子関係づくりや小・中学生、高校生の人間関係を改善出来るように、「人間性回復プロジェクト」を立ち上げました。「役立ち感」を実感として気づき、自分自身はもちろん相手のことも好きになるとともに、コミュニケーション・スキル、すなわち「生きる力」を身につけさせる「人間性回復プロジェクト」にぜひご参加ください。
「人間性回復プロジェクト」は、子どもたちの未来が輝かしいものになるよう、そして、思いやりのある国 日本 を作り上げるよう第1回開催地である"小さな鳥取県"から"大きな取り組み"を全国に発信していきます。この「人間性回復プロジェクト」の第1回全国集会として、平成15年12月13日(土)・14日(日)三朝町総合文化ホ−ルで、公開講座「子どもたちの心を考える−これからの教育、これからのニッポン」を開催いたします。講師・パネリストは6人のお子さんの子育て論を話していただく片山善博鳥取県知事、育児や保育、教育に至るまで幅広い著書で有名な汐見稔幸東京大学教育学部教授、元仙台市教育委員会教育長の小松弥生文部科学省高等教育局医学教育課長、子育て相談で有名な小児科医の内海裕美さん、レクリエーション・コーディネーターの高塚人志県立赤碕高校教諭です。
詳しいお問い合わせは、人間性回復プロジェクト事務局松田隆(連絡先:〒682-0861倉吉市新町3-1178(まつだ小児科医院内)Fax0858-22-2977、E-mail:rmatsuda@apionet.or.jp)までお願いします(電話でのお問い合わせはご遠慮ください)。
松田隆
rmatsuda@apionet.or.jp
関連ページ
人間性回復プロジェクト 〜第1回全国集会開催のご案内〜
著者プロフィール
プロフィールとご案内のページ
家作りの現場から〜盗景ノススメ〜
庭に湾の静寂を取入れる
ガーデニングなんぞという横文字を使うとハイカラに聞こえるかもしれんが、要は趣味の庭づくりが近頃盛ん や。呼び名に合わせて風情まで横文字風にせなあかんと思うのか、イギリス風やオーストラリア風と、外国の庭づ くりらしき庭用小物の品揃えも目立つ。趣味でなくプロのガーデナーと呼ばれる人もいるが、ブームの原点はあく までマイガーデン、自分流素人の庭づくりの楽しさが底辺を支えていると読んだ。自分流であるから、他所に迷惑 をかけないようこっそりと自分の土地だけで楽しんでいますという人が多いとは思うが、そんな人にちょっと聞い てもらいたい。
日本の伝統的な庭づくりの手法に「借景」というものがある。自分の庭をつくる時、そのはるか向こうに見える 山や自然を背景として借用しようというものやが、本来自分の物で無い景観を、まるで自分の物のように利用して しまう巧みな手法や。今日はこの伝統的な庭づくりの手法をもう一段進めて皆さんに伝授したいと思う。名づけて 「盗景」。借りるなんぞという奥ゆかしさをかなぐり捨てて、背景となる自然や隣の庭の風情を盗む手法や。
「盗む」と言うても隣家の庭木や自然の素材を本当に盗んで自分の庭に持って来ると立派な犯罪になってしま う。そうではなく、近所の風情とか自然の遠景といった「風情」を盗むというわけや。う〜ん、わかりにくいな。 例えばこんなことや。自分達の土地が狭くて庭のスペースがあまり取れない時、お隣が綺麗な庭づくりをしている お宅やったとするね。そんな時はその庭と全く趣味の違う庭づくりをするのではなく、隣の庭と自分の庭を一体と 感じるようなデザインにしてみる・・・するとあな不思議!自分の庭がえらい広うなってしまったやないかぃ?お 金をかけずして豊かな庭園を手に入れてしまったというわけや。この巧みな「盗景」効果はお隣にとっても同じこ と。ということは、お隣の庭まで広くしてさしあげたことになる。このように周辺の景観をうまく盗むことを意識 しながら庭づくりを考えていけば、小さなマイガーデンづくりはいつしか住区全体の統一感をも醸成し、住環境の 向上に繋がっていくはずやね。
それにはマイガーデンに使う小物や花、木といったものを自分の好みのものだけで埋めるわけにはいかんかもし れん。しかしその配慮は、個々の傍若無人な庭づくりとは一味違った、理性的でセンスの良い空間を醸しだしてく れるに違いない。自然や日本的な風情も盗景として盗むとなると、ガーデニング資材屋さんに並ぶ小物ではまかな いきれんことも起こってくる。そしたら今度は自分で創ったり探し出してきたりせなあかん、頭を使わなあかんよ うになる。じゃがその中から、やがてモノマネでない自分だけのオリジナルガーデンが生まれてくるはずや。
盗景。タダで他人のものを利用しよう思うたら、少しは自分の頭も使わなバチがあたる。周囲への思いやりや責 任も見えてくる。盗みながらエエことのある我ながら優れた手法やと思うんやが、皆さんどないじゃろう?
(株)藤原工務店
安藤瀞和
このコラムのコンセプト
自然体の暮らしの器として住宅を見るとき、意外と不合理なことがたくさんある。 しかし建築という特殊なものだからと深く考えずに見過ごすことが多い。 そんなことを自然体建築道の修行者の視点で愚痴る。
安藤瀞和(あんどうとろわ)のプロフィール
建築素浪人。自然体建築道の奥義を極めたいと修行に励んでいる。師はいない。
ロサンゼルスに引っ越してきたジョージ
スイス旅行から帰ってきて3日目、友人のジョージがロサンゼルスに引っ越して来 た。韓国系アメリカ人の彼は、四角い顔、細い目といいどうみてもさっき韓国からロ サンゼルス空港に到着したばかり、というような顔立ちだけど、とても聞きやすい ニュートラルなアクセントで話す英語は、声だけきいているとアジア系とは決して思 えないほどきれいだ。
ジョージがロサンゼルスにやってきた理由はいくつかあった。最大の理由は天気だと いう。そりゃそうだろう、彼はもともとアトランタ郊外で育ったけれど、ここ7年ほ どはシアトルに住んでいたからだ。シアトルといえば、緑が多くとてもきれいなカナ ダに近い街、といいイメージが強いけれど、他州から移り住んだ人にとっては実はと てもつらいところのひとつなのだ。なんたって雨が異常に多い。それも人が考えられ る範囲をゆうに超えているのだ。特に冬に雨が多く降るけれど、私が過ごした2年間 の冬の雨ほど憂鬱なものはなかった。なんたって、3ヶ月以上毎日雨が降っていない 日がないのだ。ラジオでは今日で記録107日連続の雨、などと言っていたのを覚えて いる。ずっと雨が降っていて、冬は3時半くらいには暗くなり始めた。1週間の天気予 報を見ても7日間毎日雨。晴れの日は一日もない。こんな日が冬は延々と続く。だか ら外に出かけていくということも自然と少なくなって、家でごろごろ、ということが とても多かった。アメリカ中で一番自殺者の多い州、といわれるのもうなずける。私 とまるがロサンゼルスに移ってきたときに、彼にも一緒においでよ、と何度も誘って みたけど、ロサンゼルスは都会過ぎるといって敬遠していたが、彼もあの雨にはつい に参ったらしく、とうとう天気のよい南カルフォルニアに脱出を図ったのだった。
もうひとつの理由は、人種の多様性が気に入ったらしい。そもそも彼は見た目は完全 にアジア人だからロサンゼルスではどこにでもいるローカル(現地人)に見える。で も、彼の育ったアトランタは白人、黒人が人口の大半を占め、それ以外の人種や違う バックグランドの人たちはとてもまれだったらしい。白人の多いエリアで育った彼は 友人のほとんどが白人で、そんな中ではなかなか自分のアイデンティティーが見い出 せなかったという。シアトルだってアジア人はそこそこいるものの、それでもサンフ ランシスコやロサンゼルスとは比べものにならない。ロサンゼルスはアジア人がいた るところに住んでいて、アジア人の中でも日本人、韓国人、中国人、フィリピン人、 インド人、ベトナム人、タイ人などなど、ありとあらゆるエスニックグループが集 まって街を形成している。だから、彼はロサンゼルスで見かけるアジア人を目の前に して自分の分身がいるみたいだ、ととてもうれしそうだった。
こんなジョージをこの間ソウルに次いで世界で2番目に大きな韓国人街と言われてい るコリアタウンに焼肉を食べに連れていった。その大きなレストランは8割くらいが 韓国人で、その他は私のようなアジア人グループ、ごく少数が韓国人につれられて やってきた白人で占められていた。レストランに入ったとたん、あまりの韓国人の多 さにジョージは目をきょろきょろさせている。満面の笑顔だ。ね、すごいでしょ、と いうと彼は「こんなに韓国人ばかりのところがロサンゼルスのど真ん中にあるなん て、信じられないよ。」ととってもうれしそう。焼き肉を食べている最中も始終 「やっぱりいいなあ、本格的な韓国料理がこんなにおいしく食べれるなんて。他の街 とは規模が違う!」とハッピーそのものだった。
韓国料理を食べにいくといつもそうだけど、ウエイトレスのお姉さんたちはホントに よく働く。しょっちゅう新しいナムルやキムチなどを持ってきてくれるし、肉の焼き 加減も気をつけてみてくれる。途中、またウエイトレスのお姉さんがやってきて、新 しいプルコギの肉を焼いてくれようとしたその時だ。彼女は横に乗せていたバターを 鉄板の上にぬり始めた。乳糖不耐症のジョージに気がついた私は、すぐさまバターを 鉄板の上で溶かすのはやめて、と彼女にお願いした。それを聞いたウェイトレスの彼 女は「ああ、誰かアレルギーなのね?ごめんなさいね、通常はやらないんだけど、ア メリカ人がいる場合だけバターを塗るの。」と韓国語でジョージにいった。ジョージ はあまり韓国語を話さないけれど、これはわかったらしく、まるを見てにやっと笑っ た。彼女がいったアメリカ人とは、実はジョージのことではなく、そのテーブルにい た唯一の白人、まるのことだったのだ。ホントのアメリカ人とはジョージのことなの に。それを聞いたまるはちょっとふてくされた。「僕はアメリカ人なんかじゃなー い!」と。自分のルーツを持つ多くの人が住む街、ロサンゼルスをジョージはすぐに 大好きになったようで「アイ・ラブLA!」と何度も繰り返した。私も誰が現地人なん だかわからない位いろんな文化が混ざり合っているこの街が大好きなのだった。
シャンディ
シャンディのプロフィール
兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。
その他お問い合わせは・・>
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