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ウエッブジャーナル日本海 通巻40号[2003/11/20]
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≪今号の記事≫
  • 家作りの現場から〜デザインと地域〜
  • ウエストハリウッド、ハロウィーンの夜


  • 家作りの現場から〜デザインと地域〜

    安藤瀞和、ただいまスケッチ中
     建築を考える時、まずは刑事やないけど現場に何度も足を運び、そこにあるいろ んな情報を集めることから始めることにしとる。

     予定地に立って、そこから見えるものをひとあたり眺めてみる。充分堪能したら 今度は逆に周辺からその土地がどう見えるか眺めてみるんや。カメラにおさめたり、 場合によってはスケッチもしてみたり、とまぁ、これが第1歩ってとこやね。当然、 現地への道筋の様子なんかも運転しながら目の隅でそれとなくチェックは入れるし、 近隣の町や村落の様子も、建物の形態や壁、石積みの色やテイスト、などを対象に フラつきながら求めて歩くことも多い。

     目で確認できるものは一人でこんな風に集めることも可能やけど、風土や慣習と いった目で見えないものはこうはいかん。書物を調べたり、人に聞いたりといった 作業になるわね。建物を建てる人が代々その地で暮らしている人なら、風土や慣習 のことも本人から直接聞けるけど、そうでない場合は少し困るんや。近隣の人の所 へ赴き「今度ここに家を建てる由、ついては情報を差し出せ」なんて、聞いて回り にくいしなぁ・・・。ま、でもそんなことから地域の情報を手に入れ、それを家の 形をつくっていく作業に反映させているんや。こうして地域の中に残る形態や、そ の地域で使い継がれてきた素材とかを取り入れてゆくと、それだけで自然と地域に 違和感の無いものになっていく。ことさら周辺へ馴染ませようと努力をせんでも勝 手に馴染んでしまうんやね。

     次に考えるのが目に見えんもののことやが、実はこれが目に見えるものの変化に 比べると劇的とも言える変化を遂げているんや!例えば職業、昔のように近隣のほ とんどが同一業種ってことは少なくなってきとる。このことが結果的には慣習や儀 式までも変化させてきているし、地域の中での暮らしぶりや居住性にも影響を与え とる。この目に見えんものの変化が、建物や町並みに影響を与えぬはずがないわなぁ。 職業がバラバラになったからといって、場当たり的に勝手なものを建てていったら、 地域内の居住性や豊かさはどんどん損なわれてしまう。

     地域内では時代の変化とともに新しい建物や施設が建ち、その時代の表情といっ たものを整えていくんやけど、その中に古いものもまだたくさんある。これらの共 通性を維持しながら緩やかに繋いでくれるのが、普段の生活の中で目にしている地 域の素材や形態なんやね。時代が変わっていってもこれらを大切にしながら環境を 整えてゆけるなら、地域の良好な住環境が大きく失われることは免れるやろうね。 これも、特色があり、豊かに暮らせる地域を維持し続けるデザイン手法の一つの原 点かもしれん。
    (株)藤原工務店
    安藤瀞和

    このコラムのコンセプト
    自然体の暮らしの器として住宅を見るとき、意外と不合理なことがたくさんある。 しかし建築という特殊なものだからと深く考えずに見過ごすことが多い。 そんなことを自然体建築道の修行者の視点で愚痴る。
    安藤瀞和(あんどうとろわ)のプロフィール
    建築素浪人。自然体建築道の奥義を極めたいと修行に励んでいる。師はいない。


    ウエストハリウッド、ハロウィーンの夜
     今年もあっという間に11月に入ってしまった。ロサンゼルスは10月末まで30度を越え る暑さが続き、寒くもならず雨も降らずでホントに冬がやってくるのかな、と首をか しげるくらいのへんてこりんなお天気だった。それでも、10月の終わりをつげる恒例 のハロウィーンがやってきて、ようやく秋の気配となってきた。

     このハロウィーンとは2000年以上昔、ケルト人が宗教的行事として行っていたそうだ が、現代のアメリカでは国中をあげての仮装イベントと化している。私の住んでいる ウエストハリウッドの街でも、世界で一番大きいといわれているハロウィーンのスト リートパーティーが毎年行われていて、40万人以上もの人達がその昔はルート66の 西の果てだったサンタモニカブルバードに繰り出す。この日はアメリカ中が仮装して いるといっても過言ではないが、ここに集まる人達の仮装のレベルはアメリカ一では ないか、というくらい派手だ。妖精に扮してピンクや黄色のタイツに大きな羽をつけ た綺麗なゲイカップル、ピンクのプードルの6人組、ウエディングドレスを着たカッ プル、体中ゴールドに輝いたすばらしい体の歩くオスカー像、動く人間盆栽、白い宇 宙飛行士の服装の団体、お相撲のかぶりものを着た10人くらいのチーム、セクシー ガールポリスなど等、よくもこんな格好を思いつくな、とあきれるくらい強烈に奇抜 なコスチュームを着た人たちでストリートが埋め尽くされる。またすごいのがこの目 の飛び出るような格好をした人の多くはゲイなのだ。というのも、この街はゲイの街 として有名で西海岸ではサンフランシスコに次ぐゲイタウンだからなのだ。

     今年もそんな彼らを一目見ようと朝から楽しみにしていた。特に今年は金曜日だから 大きなパーティーになること間違いなし、のはずだった。それなのにお天気がよくな い。朝から小雨が降ったりしていけど、天気予報では夕方からシャワーとの予報。で もシャワーというのは、小雨程度の話だからそのくらいだったら外を歩けるだろう、 位にしか考えていなかった上、ここ半年ほどぽつりとも雨が降っていないからまさか この日に限って、というのがみんなの見方だった。友人とも現地集合!と約束までし たのに、夜になると激しい雨が降り出し、8時を過ぎてもやむ様子もない。結局9時ご ろまで待っても雨がやまないので土砂降りの中、覚悟を決めてまると私は出かけて いった。この日は通常家のあたりからイベントの中心に向かって交通量が半端じゃな く、パーキング探しをするだけでも大変なので歩くことにした。ぬれないようにと以 前ヨーロッパで買ったレインコートを着て帽子をかぶって傘までさして準備万端で出 かけていった。家から1ブロックのサンタモニカブルバードに達すると、そこからは イベントのあるラシエネガブルバードの交差点まで一直線だ。でも今年は歩いている 人がやたら少ない。去年はもっとコスチュームを着た人が歩いていたのに。歩いてい ても全然雨のやむ気配はなく、時折強く降る。いくら準備万端でいった私たちも途中 まで歩いた時点でレインコートから出ている手や足はずぶぬれになった。それでもも う後へは引けず、どんどん歩く。ロサンゼルスではこんな土砂降りの雨は年に数回く らいしか降らず、1週間前からカリフォルニアの山々は乾燥のあまりにすごい勢いで 燃えていたというのに、どうして1年に一度のハロウィーンの日に、それもその夜の 時間にこんなに降るなんて、誰かが天気を操作したとしか思えないような仕打ちだ。 何とか歩行者天国になっているイベントエリアまでたどり着いた私とまるはもうへと へとだった。コスチュームをつけた人たちもちらほらいたけれど、雨にすっかりぬれ ていつものパワーがまったくみられず、なんだかとてもさびしそうだった。

     結局、友人達はこの雨でどこも交通渋滞らしくそこまでたどり着けない、といって キャンセルし始め、みんなばらばらに夜をすごす羽目になってしまった。仕方なくま ると私はまた歩いて家に帰った。結局2時間半くらいずぶぬれになって歩いたハロ ウィーンの夜となってしまった。次の日、友人の一人に電話をすると、彼女はベニス ビーチのバーにいったらしく、それはそれなりに楽しかったという。彼女はなんと今 大ヒットを飛ばしている映画「キル・ビル」のルーシー・ルーが扮するヤクザの女将 に扮装したらしく、結った日本髪、浴衣、日本刀で決めた姿がバーでは大うけだった らしい。そうか、私もバーへ行けばあんなにずぶぬれにならずに楽しめたのかも、と ちょっと後悔した。

     今年は散々なハロウィーンだったが、これはロサンゼルスの降水確率からいっても めったに起こることではないのだ。終わった事はすでに忘れ、私は友人たちとすでに 来年のコスチュームを計画している。それは何かというと、青やピンクのカツラをか ぶってバービー人形計画。アメリカのイベントといえば、ニューヨークのカウントダ ウンがあまりにも有名だけど、アメリカのパーティ魂を見たい!という人は毎年10月 31日に行われているこのイベントがお勧め。その場合は遅れをとらないよう日本から 超奇抜なコスチュームを用意すること!そうすればその日一日セレブになったかのよ うにフラッシュを浴びること、間違いなし、です。
    シャンディ
    シャンディのプロフィール
    兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
    オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
    外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。



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