ウエッブジャーナル日本海
通巻53号[2004/06/14]
[バックナンバーはこちら]
≪今号の記事≫
家作りの現場から〜正義の味方?〜
アメリカのクレジットカード事情
家作りの現場から〜正義の味方?〜
建築業者・工務店・職人、対してコンサルタント・設計事務所と並べると、どうも世間から見れば前者のイメージはダーティーで、後者のそれはクリーンということらしい。「工務店」とくれば、まるで枕詞のように「悪徳」という言葉がごく自然に冠される。加えて、前者が技術を教授される側、後者が最新の技術を教授する側との認識もあるようだ。だがこれは両者の社会的地位を大きく欺いておる。
ある時こんなことがあった。輩と某設計事務所の若い職員と、外壁のクラック(ひび割れ)について見解の違いを論議しておったのじゃが、突然彼は輩に向かって講義を始めた。「そもそも、ヤング係数(※)というものがあって・・・」
わしは唖然とした。師を持たぬ身で何やら怪しい「自然体建築道」を進む輩じゃが、その道のりには彼と同じように「大学」という場でワラジを脱ぎ、そのような講話を聞く日々もあった。また、お墨付きの紙切れ「1級建築士」なる資格も、彼と同じように、否それより遥か昔より持ち合わせておる。
今の世の中、設計事務所に身を置こうが、施工会社に身を置こうが、技術者たる者は基礎知識を身に付けるため、学業の場では同じように知識を身に付ける機会を得てきておろう。確かに、これが明治の頃であれば、西欧建築をマネ出した時分、そのような施工者と設計者の関係はあったかもしれん。が、今は平成の世じゃぞ。若い彼が今日にあってもそのような認識を全く持ち合わせておらぬ様子に、唖然としたのじゃ。
今一つ。最近、何やら「オープンシステム」なる言葉を世で見かけることが多なった。簡単に説明するなら、「工務店や、建築会社に一括で発注すると家の価格が割高になる。そこで大工仕事や左官仕事、屋根や設備の工事等々、1つ1つの工事を個別に建主と契約することで工事費を安くしましょう」という趣旨のもの。設計に加え、それらの手続きや仲介を、「オープンシステム」のメンバーの設計事務所が行うということらしい。かような仕組みは呼び名こそ異なれど他にもたくさんあるのじゃが、この際代表して引かせていただく御無礼はどうかお許し願いたい。
細部のことまで分らんが、このようなシステムの説明が説得力を持つということは、少なくともその背景に、先の「施工業者はダーティー、設計事務所はクリーン」といった暗黙の社会通念が潜んでおると言えるんじゃなかろうか。
施工業者、大勢の下請業者の頭をピンハネして儲けるからチョットキタナイネ、
施工業者跳ね飛ばせば安くデキルネ、ワタシラクリーンヤカラ・・・と、のぅ。
現場の隠れた費用は意外にいろいろ
輩は、製品の設計から完成まで1つの組織が全責任を持つことが、品質保証の面からも、コストの面からも、物づくりにおける最良の方法だと考えておる。誰がTOYOTAの自動車を買うのに外部の設計士を頼み、その指導のもとに作らすか?誰がSONYやNationalのテレビや洗濯機を買うのに、別のコンサル雇って送りこむ?
それに一括で建築を請け負う者は、決して「ピンハネ」をしているわけではない。工事で掛けなくてはならない各種の保険、工事現場で使う電気代、トイレの費用等々、誰かが調整し負担すべき費用と、応分の利益、どれも必要なものばかりじゃ。TOYOTAが最高益を出し、SONYが最高の決算を出しても誰が「ピンハネ」と非難する?工務店、建築業者に「ピンハネ」ができるようやったら、いまだに地方で「信用こそ大切」などとチマチマやっとらんやろう。
家づくりというものは、様々な要素が複雑に絡み合った仕事じゃ。ただでさえその境界を分かつことは難しい。ましてや瑕疵や重大なミスがあった時、その責任の所在を明確になぞできるんじゃろうか?責任のなすり合いの狭間で建主さんが為す術もなく取り残され、なぞ断じて許すわけにはいかぬ。安藤瀞和、正義の味方とはならんまでも、大悪党ではござらんぞ!
※ヤング係数:通常、材に同じ力がかかっている時、この係数が大きいほど変形しにくい。材質ごとに大体決まっている。構造分野における最も初歩的な用語の1つ。
(株)藤原工務店
安藤瀞和
このコラムのコンセプト
自然体の暮らしの器として住宅を見るとき、意外と不合理なことがたくさんある。 しかし建築という特殊なものだからと深く考えずに見過ごすことが多い。 そんなことを自然体建築道の修行者の視点で愚痴る。
安藤瀞和(あんどうとろわ)のプロフィール
建築素浪人。自然体建築道の奥義を極めたいと修行に励んでいる。師はいない。
アメリカのクレジットカード事情
アメリカがクレジットカード大国というのは有名な話。成人であればよほどでない限 りは誰でもクレジットカードを持てるし、何枚ものクレジットカードを併用して利用 している人が殆どで100枚持っているなんて人も聞いたことがある。私自身、アメ リカに来る前はいざという時の備え、位にしか思っていなかったので利用回数も少な く1枚のビザカードしか持っていなかったが、今では一応5枚は持っている。
ここでは、カード利用が社会に浸透している分、ほんとにどこでもクレジットカード が使えるからすごい。レストランやガソリンなどの支払いはもちろんのこと、小さな コーヒーショップでも、タバコ屋、病院や学費から毎月の支払いのある電気代や電話 代まで殆どの支払いに使えるのだ。アメリカに来た頃は学生だったこともあり、すぐ にはアメリカのクレジットカードを持たなかったから、キャッシュかチェック(小切 手)を利用していたが、このカードの威力を知るなり、私もすっかりとりこになって しまい、いまでは小銭以外は殆どの支払いをクレジットカードで行うようになってし まった。そのため、財布の中には20ドル(約2000円)も入っていれば多いほうで5ド ルくらいしか入っていないこともしょっちゅうだ。
さて、アメリカでは成人ならば誰でもクレジットカードを持てる、といったが、一応 アメリカでもクレジットカードを持つ際には審査が行われる。これがまたとても矛盾 しているのがアメリカらしい。日本ではどの会社で何年仕事をしているとか家族が保 証人となっているケースが多いが、アメリカではその人のクレジット履歴が重視され る。これは、その人がいままでどれだけちゃんと借りたお金を問題なく返済している か、という返済能力を測るものさしとなる記録で、クレジット履歴をまとめる機関に こと細かく記録されている。
様々な企業でクレジットカードが発行されているが、一度ある有名下着シップの店員 さんにこう声をかけられた。「ここのクレジットカードでショッピングすると10%引 きになるから、よかったら新しいカードを作らない?」。まだアメリカでは一枚もク レジットカードを持っていなかった私はいい機会だわ、と思いすぐにOKした。私が申 請書に自分のデータを書き込んでいる間に、彼女は手続きを行ってくれたが、残念そ うにもどってきて私にこういった。「今あなたのクレジット履歴をチェックしたんだ けど、あなたにはいままでクレジットを利用した記録がないから、クレジットカード を作ることが出来ないの。」え??クレジットカードをもってないとクレジットカー ドが作れないの?なんて国なんだ。持ってないから作りたい、っていってるのに、な いと作れないなんて!
その時は仕方なくあきらめたが、その後、自分が口座を持っていた銀行から銀行口座 に入っているお金を担保として限度額の低いクレジットカードを発行してくれたの で、その後は着々とクレジット履歴を作ることに成功したのだ。
日本でも最近はクレジットカード破産をする人が増えているらしいが、アメリカでも クレジットカードへの高い依存度がうかがえる。アメリカでは、毎回利用額の数パー セントにあたる最低利用金額さえちゃんと期限までに払えば、ペナルティーなしに残 りの金額を次回以降に支払うことが可能だ。そのため、買い物だけはしっかり行っ て、支払いは支払えるときまでお預け、なんて人が異常に多い。最近の統計では平均 一人当たり常に9000ドル(約100万円)の借りがあるという。実際私の友人の何人も が常に数枚のクレジットカードを利用しお金を借り続けながら生活している。私は小 心者だから、払えないお金なんて使えるわけもなく毎回ちゃんと払いきっているか ら、100万円も借りてどうやってかえすんだろう、といつも不思議でならない。それ に支払いを持ち越すとペナルティーは必要ないけれど、その分の利息がついてきて、 それがまた年利15%とか18%とかで馬鹿にならないのだ。
それでも、アメリカ人はどんどんお金を使う。アメリカ人のお金の使い方の悪い典型 のような人が、一緒に働いているメキシコ系移民三世のホゼイだ。以前、彼は銀行の お金をマイナスになるまで使い切り、失業してしまったのと重なり、銀行口座を取り 上げられてしまった。クレジットカードの支払いも出来なくなり、カードももてなく なってしまった。それらの記録はすべてその人のクレジットヒストリーとして機関に 保管されるので、クレジットヒストリーのレベルを計る数値が減ってしまい、数年間 はクレジットカードはもちろんのこと、生活の基本となる銀行口座をも開設すること が出来ないらしく、お給料は毎回小切手でもらわなくてはいけないらしい。また、小 切手をもらっても、それを入金する銀行もないし、毎回その小切手を現金にかえる 為、プライベートの両替屋で高い手数料を払わなければならない。また、こんな彼は お金の管理が極端に出来ないらしく、ポケットにそのまま入れた100ドル札を落とし たり、財布を落としたりと、しょっちゅうお金が離れていく。それなのに、お給料を もらうとぱーっとガールフレンドにはお金を使っているらしいから、コツコツ型の私 にはとても考えられないのだが、きっと彼のようなアメリカ人は山ほどいるのだろ う。だからクレジットカード会社も儲かるようになっている仕組みがよく見える。
でも、逆手に取ると、このクレジットカードほど便利なものはないのだ。最近では利 用した分の1%はすぐに現金でお返し、というようなクレジットカードが登場し、私 はクレジットカードを利用することによってお金が戻ってくるというこのシステム を、銀行の利子が少ないこの時期に十二分に活用している。ほかにも今新しくクレ ジットカードを作ったらある一定額を1年間利子なしで借り続けることが出来るな ど、うまく利用するとクレジットカードを使って多少の小金を作ることも可能なの だ。お金に関しては日本人がそうなのか、私の両親がそうだったのか、アメリカ人 じゃなくってよかった、とつくづく思うのだった。
シャンディ
シャンディのプロフィール
兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。
その他お問い合わせは・・>
webmaster@nihonkai.net
まで!!
当サイトは
ソンズ・コーポレーション
が運営しています
Copyright 2000 sonz.co.jp
Visiters Total 670798
Yesterday 0001 Today 0004