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ウエッブジャーナル日本海 通巻61号[2004/10/25]
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≪今号の記事≫
  • 最高司令官(Commander in chief)は誰?


  • 最高司令官(Commander in chief)は誰?

     今アメリカ中は大統領選のことで持ちきりで、候補者達は自分こそ国の最高司令官(コマンダー・イン・チーフ)と大々的にキャンペーンを繰り広げている。アメリカでは18歳以上であれば誰でも投票することが出来るので、ニュース番組はもちろんのこと、週刊誌やファッション雑誌、それもどう見てもティーンから20台前半が読者層というような雑誌までが今回の大統領候補者の特集していて、この大統領選がどれだけアメリカ人にとって注目されているものかが伺える。でも、これはアメリカ人だけではない。私のような外国人労働者にとっても、政権を握る党が変わると移民法や税金法やら毎日の自分達の生活におおいにかかわってくるとあって、知らん顔できないのが現状だ。

     アメリカでは4年毎に大統領選挙が行われる。4年前の選挙は共和党のブッシュと民主党ゴアとの戦いだったが、最後の最後まで答えが出ないというまれに見る接戦となり、結局最後に勝敗を決定したフロリダ州の開票が間違って行われたという疑惑から再度数を数えなおしたりとごったがえしのスタートとなった。が、投票数はゴアの方が多かったにもかかわらず、比例制を用いているためにブッシュが勝つというはめになってしまった。

     なんだか大統領というタイトルが欲しいというがために大統領選に出馬したのでは、というような雰囲気を漂わせている2代目ブッシュの支持率は最初とても低かったが、ニューヨークテロを境に彼はアメリカを助けたヒーローのようなイメージで人気を取り戻した。しかし、結局彼が勤めたこの4年間、ニューヨークテロ、その後のテロの不安、アフガニスタン戦争、イラク戦争、経済の低迷、失業率アップ、記録的な貿易赤字額、医療費や教育費の高騰、貧民層の増加など挙げたらきりがない位明るい話はなかったように思う。私のまわりも8割型その時期を前後して失業していたし、1年に3回解雇、というような人もいた位だった。それなのに、今彼は演説の度に「アフガニスタンもイラクも平和への道を進んでいる。経済もやっと低迷を抜けだし、仕事もどんどん増えて未来は明るい。」とまあいいことばかりいっているのである。

     アメリカのキャンペーンですごいのは、いわゆるネガティブキャンペーンが花盛り、ということだ。アメリカでは自分の敵を名指しし、人格はどうだ、あの主張はうそだ、というようなことをテレビ広告で大々的に宣伝するのである。ニューヨークでの共和党の大会では、4日間毎日民主党候補者のケリーの悪口のオンパレードだった。日本人の私としては、そこまで悪口を並べ立てなくってもいいだろう、というくらいすごかったのだ。それも、大抵の場合、ブッシュ側のこの4年間の功績等一切データとなる数字は出ず、ケリーの意見は一環していない、実績がない、など適当な理由を挙げた上で、そんなやつは信じられないから、ブッシュに投票しよう!というものだった。現副大統領のチェイニーは、ブッシュが再選されなかったら、再度テロにあうだろう、というようなことも平気でいっていたのには驚いた。ではブッシュが再選されればその確率はゼロになるのだろうか?

     そんなブッシュとケリーは現在互角に戦っていて、今回も最後まで接戦になるのは避けられない状態だ。私としては、ブッシュはこの4年間成果を上げるどころか、国内情勢は悪化し、世界から孤立させてしまったにもかかわらず、いまだに人々から指示を得ているというのは信じられないとしかいいようがない。ただ、平均的なアメリカ人は世界情勢にあまり精通していないにもかかわらず、いろんな世界情勢に首を突っ込みたがる傾向にある。アメリカの常識は世界の常識ではない、というところがよくわかっていない。それなのに、ブッシュは彼の信念は世界中の万人に共通すると思い込んでいるのだからどうしようもないのである。日本の常識はアメリカで通用しないのと同じように、アメリカの常識は他の国では非常識になってしまうのである。この点では、私はケリーに軍配をあげるだろう。というのも彼の現在のパートナーのテレサはモザンピーク出身、南アフリカ、スイスで教育を受け、国連でも仕事をしていたという5ヶ国語を操る国際派。これだけでもパートナーのケリーは、大統領になるまでほとんど海外に出たこともなかったブッシュとは比べ物にならないくらい世界の平和の重要性を理解しているとみるのである。

     個人的にはもちろん民主党のケリーに勝って欲しいが、投票権がないので影ながら応援することにする。でも、これを期に、日本の投票もちゃんとやらなくっちゃと思うのであった。今まで海外にいることが多かったため、投票できなかったが最近では海外からも不在者投票できるようになった。アメリカのことを思うと人事ではないなと思う。いくら一票とは言えども、現状の生活や法律がおかしい、と文句をいうのだったら、まず投票しないと文句をいう権利も発生しないんだなー、と痛感する。

     発展途上国の支援を行っている友人はいった。「世界に満足できなかったら、世界を変えればいい。何かが欠けているのだったら、作り出せばいいんだよ。」全くその通りだと思う。文句をいうなら、自分でまず行動、これに尽きるのだろう。ブッシュについては、彼が勝手に始めた戦争にもかかわらず日本も若者を戦場に送り出しているのだから、今回のアメリカ大統領選は、日本人といえども知らん顔はできない選挙なのだ。
    シャンディ
    シャンディのプロフィール
    兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
    オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
    外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。



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