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ウエッブジャーナル日本海 通巻66号[2005/03/25]
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≪今号の記事≫
  • ミリオナー(億万長者)になりたい方へのお誘い?


  • ミリオナー(億万長者)になりたい方へのお誘い?

     ミリオナー(億万長者)になりたくありませんか?と聞かれれば、誰だってなりたい と答えるだろう。でも、いったいどうやって?何か仕掛けがあるのでは?などと思っ てしまうのである。そんなある日のこと、他の郵便物にまぎれて「ミリオナーになり たい方へのお誘い」という封書が届いた。タイトルがタイトルだけに私も気になり封 書を開けてみた。すると、1日かけてファイナンシャルや株式の利用法、不動産を利 用しての資産形成法、いざという時のための法律についてなど専門家が次々と公演を 行うというものだった。その中にはベストセラーとなっているファイナンシャルブッ クの「オートマティック・ミリオナー」という本の作者もいるし、CNNなどで活躍 しているファイナンシャルアナリストもいるではないか!封書の中には2枚の招待券 が入っていて予約を取ると無料で入場できると書いてあったが、それでも疑い深い私 は絶対に何か裏あるに違いない、と気になりつつもその封書をテーブルの横のほうに 眠らせていた。

     それでもこういうことには何かと縁があるようで、仕事場の友人の一人が昼食を食べ ながらいった。「この間さ、ミリオナー・コンファレンスのお誘いのメールがきてい たので、一応予約だけはとったんだけどさ。私以外にももう一人連れて行けるみたい なんだけど、シャンディも一緒にこない?」というではないか!イベント好きなマキ は考える暇があったら行動する、という素晴らしいキャラクターで、何か仕掛けはな いのか、本当に変なものを買わされないのか?等電話をかけていろいろ確認したらし いが、本当に出席するだけでもいいらしい。なーんだ、そーなんだ、だったらその公 演は家からもそう遠くはないし、ファイナンスには興味もあるからいってみよう、と 思い立ち友人と一緒に出席することにした。

     その日は前日からの土砂降りが一向にとまる様子もなく降り続けていた土曜日の朝に もかかわらず、多くの人が行列を作っていた。友人と私も30分くらい前に入場した が、それでももう席がまばらにしか空いてない。こういう時、私は強くなるらしく さっとど真ん中のいい席をゲットした。

     朝8時から公演が始まり、一人1時間から3時間以上も話す人もいて結局10時間以上も 次々と人が入れ替わり話が続いた。私は大学でもともとビジネス専攻だったこともあ り、ファイナンスや法律についてとても興味があったからどのスピーカーもとても興 味深く、こんな話をタダで聞いちゃってラッキー、という感じだったが、コミュニ ケーション専攻のマキは途中、特に法律の話は興味がなかったのか、はたまたつまら なかったのか、頭を上下にふりながらこっくりこっくり眠っていた。

     でも、こんな興味深い話をタダで聞けるなんて話が良すぎるな、と思っていたら、一 人目の公演途中に疑問が解けた。スピーカー一人一人がスポンサーだったようなの だ。一番最初にでてきた人はどうやって記憶力を高めるかという話をしてくれた。彼 自身や家族、友人の話を交え、実際にステージ上で会場のみんなを相手にステップご とに体験もさせてくれるというサービスぶり。体験することにより、会場全体が盛り 上がったそのとき、彼はいった。「これは、僕が学校や企業で教えていることのホン の一部なんだよ。記憶力を高めるというのは、成功への近道なんだ。この知恵のすべ てを5ドルで伝授するといったら、あなたはどうする?欲しい人はそこに立って!」 すると、8割型の人が自分の席の位置で立ち上がった。あらー、みんなすごいのね、 と思っていたら、どんどんオークション式に値段が上がってきて、300ドルでも欲し いという人がそれでも1割くらいいただろうか。最後までたっていた人たちはステー ジまで呼ばれ、では300ドルのところ、20ドルで販売しましょう!という掛け声のも と、みんなお財布から20ドル札を出し始めたではないか!私は思わず、みんなの純粋 さというか、単純さにはあっけにとられてしまった。こんな簡単に話を信じて購入で きるなんて!その後は数百ドルの株式ソフトウェアから数千ドルもするセミナーの販 売まで行われたが、ホントにびっくりするほど、みんなはすぐに飛びついて大きな荷 物を増やしていった。

     アメリカ人の平均収入は年間約350万円である。物価の高いロサンゼルスなどの大都 市ではこのお給料では家を買うことも出来ない。そのためか、このミリオナー希望者 へのコンファレンスは大盛況のうちに終わった。私は、疑い深いのとすぐに飛びつく ほどの経済的な余裕もなかったのもあり、もちろん何にも購入はしなかったが、これ を通していままで聞いたこともなかったような法律や不動産情報などを入手すること ができた。それにしても、ここでアメリカ人のファイナンスに関する興味の高さも十 分に伺えた気がする。ブッシュの2期目当選で一番の課題のひとつにあげられている のが日本の国民年金にあたる、ソーシャルセキュリティーなのだが、アメリカでも私 達がもらえるような年になった頃にはお金が底をつくのではないか、と言われてい て、自分で資産を作ることはアメリカ人にとって重要課題なのだ。ミリオナーには程 遠いが、着実にそこに近づくにはやはりいろんな手段を取る必要があることを学ん だ。

    シャンディ
    シャンディのプロフィール
    兵庫県姫路市生まれ。卒業と同時に子供の頃からの夢であった海外生活をスタート。
    オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィジー生活を経て、現在アメリ カ、ロサンゼルスで暮らす。
    外国生活の中で日常の出来事を中心にエッセイを筆記。



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